海外チャレンジ中、2人の侍

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今年の4月だったかな。いつも通っているトレーニングジム「釧路湿原の風アリーナ」でこの春法政大学を卒業した石川貴章君に会いました。公共施設だからみんな楽しくエクササイズしているところに、大男が本気トレーニング、「これはただ者じゃないな?!」と思って声をかけたら、逆に「中島さんですよね」って。えっーーと思って話してみると今年法政大学を卒業してこれからプロテストを色々と受けるんです、と。トレーニングを続けながら自分のホッケービデオを各チームに送ったり、レジュメを作ったり。ついに念願叶って中国シャークスとの契約までこぎつけて喜んでいたのもつかの間、中国シャークスのアジアリーグ撤退。諦めきれない彼はインターネットで世界のプロチームを検索しトライアウト情報をかき集めました。そのがんばりの結果、北米のとあるチームのトライアウト情報を見つけチームに直接連絡したところついに参加資格ゲット。

その後はトライアウト合格後のビザ問題について自分で東京のアメリカ大使館に足を運び、ビザの取り方を学び、そしていよいよトライアウトのために渡米。厳しい選考に最後まで残り、プレシーズンマッチにも参加し観客に「サムライ!!」と言われるほど人気者にもなり、開幕2日前までチームに残っていたのですが、最後に怪我をしたのと、最後の最後で語学力が若干不安と言われ残念ながらトライアウトは失敗しました。私は考えました。私が英語もまともに話せないのに単身カナダに渡ったあの頃を。

言葉が通じないということは本当に不安なものです。ただこの石川君、アジアリーグのチームに入団が決まっていたのに直前で断られ、落ち込むどころか言葉の不安もものともせず、チームに直接連絡し、ビザについて勉強し、トライアウトに行き、地元サポーターに応援されるまでになり最終選考に残ったんです。

プロ野球選手、サッカー選手、海外チャレンジしているスポーツ選手はいますが、通訳もいなく単身で言葉の通じない世界に飛び込んでいった選手は今まで何人いたのでしょう。

 

トライアウト後、アメリカから私の日本の携帯に電話報告がありました。感動して波が出そうになりました。石川君、よくがんばった!!数日後、彼は同じチームからの来年のトライアウト招待を手に日本に帰国しました。今も来年に向けてトレーニングを重ねています。もう井の中の蛙ではなく、日本のホッケー選手も海外にチャレンジしていく時代が来た、というよりもチャレンジして行かなくてはならない時代になったのだと思いました。そして私はこれからこういった若者をサポートしていきたいと心から思いました。

写真は彼が向こうから送ってくれたものです。トライアウト失敗後、同じトライアウトを受けてていたもう一人のサムライ、高橋一馬選手と一緒にNHLの試合観戦をした時に撮ったものだそうです。一馬、石川君、君らがこれからの日本ホッケー界、そしてホッケーを志す子供たちの夢であり希望です。頑張ってね!!

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